良い夫婦関係を続けていくために大切なことは何ですか?

よくある質問

Q 良い夫婦関係を続けていくために大切なことは何ですか?

これはよくある質問です。

全く同じ夫婦関係は一組もないので、実際に、どのようなことを大切にしていくと良いのかは、夫婦によって、それぞれ異なります。

しかし、夫婦関係は二人だけの関係ではなく、様々な他者との関わりの影響を受けたり、逆に、他者に影響を与える関係なので、この点で、理解しておくと役立つことがあります。

「恋愛関係」と「夫婦関係」の違い

理解しておくと役立つのは、「恋愛関係」と「夫婦関係」の違いです。

「恋愛関係」と「夫婦関係」は、その目的と相手との基本的な関係性が違います。

恋愛関係

恋愛の目的は、友情よりも親密な関係性を持って、お互い精神的にも感情的にも身体的にも相手に自分自身を分かち合うことで、お互い相手との体験を楽しみ共有することです。

それによって、親密な関係が育まれていきます。

したがって、恋愛関係は、お互い恋愛の対象としての合意があって、友情関係と同じようにお互いを信頼して大切にする関係性を土台にして、お互い恋愛対象の存在であることを尊重し、年齢に応じた健康的なセクシャルな関係が含まれる親密な関係です。

もちろん、お互いの違いから喧嘩することもあるでしょうが、喧嘩をしてもお互いの気持ちを話し合い、仲直りすることも前提として含まれます。

お互いにとって幸せな恋愛は、人間としても、それぞれのセクシャリティについても、お互い健康的な自尊心と自己効力感を育んでくれるし、自分の苦しさや辛さや悲しみなどの体験も共有して受けとめあっていくので、人間として相互に成長し、成熟していく関係といえます。

「幸せな恋愛関係」は、お互いを尊重できる人間関係という土台が必要です。

お互いがこのような認識をもって恋愛し、それにそった現実的な関わりをしていくと、人間としての相互理解も深まり、一緒に生きていきたいとお互いが思えれば、タイミングで、夫婦(結婚)という関係に進めていくことになります。

しかし、実際は、このような共通認識を持たないまま恋愛して結婚するカップルも多いのが現実です。

この場合、本来、恋愛期間中に明確にしたり、築いておく必要のある人間関係を結婚後、つくっていくことになります。形式が先で、実態が後からついていくということです。

日本では、お見合い文化があるので、恋愛結婚、お見合い結婚に関わらず、結婚後に関係をつくっていく夫婦も多いと思います。

恋愛関係でしっかり人間関係を形成してきたご夫婦は、次の結婚の説明を参考にしてください。

そうでない場合は、恋愛期間中に、お互いどこまでの人間関係(男女関係ではありません)が築けているのか素直に正直に振り返り、お互いのことで知らないことがあれば、正直にお互い向き合ってお互いの関係を築いていく努力が大切になります。 よくある「結婚したから当たり前」という考え方は、親密な関係を育むことを阻んでいることがよくあります。

夫婦関係

夫婦関係は法律婚・事実婚に関わらず、結婚の目的を理解しておくことが大切です。

結婚は、恋愛関係で築いていく関係性を土台に、実際の生活を共にして、経済的なことや社会的な活動、子育てetc、恋愛中は協力しなくてもよかった内容も含めて、共に生活していくうえで必要な責任や義務などを協働して一緒に生活していくことです。 

恋愛と結婚の違い 

恋愛と結婚の大きな違いは、生活のために協働することが増えるということです。

恋愛と結婚の違いがわかっていないと、生活のために協働することについて生じる摩擦が致命傷になることがあります。

したがって、夫婦が恋愛時代よりも愛を深めていくためには、結婚の期間や、年齢、仕事や収入の状況、子どもの誕生etc、その時期に応じたライフイベントにあわせて、その時、お互い一番助けや共感が必要なところを協働して、二人で現実に対処し続けていくことです。

別の視点。「恋愛関係」と「夫婦関係」

恋愛関係が「友情関係+男女関係」、という式が成り立つのは、実は個人主義が導入された現行日本国憲法に基づく社会制度や家族制度の変更にもそのルーツがあるという視点をもつことができます。

法学者でもあり弁護士だった故川島武宜の著書「日本の社会と生活意識」((株)学生社昭和30年12月5日発行)の中に「友情と恋愛」という項目があり、下記のような記述があります。

ここでは、旧来の共同体生活や家制度のもとでは、男女関係は、愛情があるかないかは問題ではなく「和」が大切で、夫婦は喧嘩をしない、「うまくおさまっている」という消極的なことだけが問題なのであり、むしろ、夫婦が積極的に愛し合うことは禁止されている。嫁が夫と仲がよすぎるというので、「つつしみが足りない」、「家風にあわぬ」という理由で「返された」話をわたくしは知っている。「返されない」までも非難されることはあたりまえ。

川島武宜「日本の社会と生活意識」(133頁−134頁)

そして、こういった道徳が支配するところでは、異性間に友情が成立することは不可能であり、結婚が友情で支えられるのは、偶然であり、むしろ禁止されます。さらに、いきなり恋愛関係が成立すると、それは社会の禁止を犯すものなので、多くの場合理性的な要素を欠き、理性を越えた盲目的な、熱狂的な、爆発的な関係となり、恋愛結婚は多くは失敗するといわれている。

川島武宜「日本の社会と生活意識」(134頁・一部要約)

川島武宜氏は、友情を、【友情とは、「人間」としてひとしく尊重し助け合う精神である。】(136頁)と説明しています。

要は、共同体意識や家族制度が優先して、それが支配する関係の中では、個人が尊重されず、個人と個人の関係性そのものが成り立たないので、友情は成立しないし、ましてや、そこでは恋愛そのものが制度に反するので、許されていなかったというのです。

このことから、明治憲法の社会では、男女間の友情・恋愛は一般的ではなく、それが社会的に受け入れられ認められていくようになったのは、日本国憲法になって、民主主義・個人主義を前提とした、近代の新しい社会的関係性の流れのもとで育まれていったということが言えるのではと思います。

それを前提とすると、友情も恋愛も、理性をもつ自由な独立した意思の主体としての個人が、お互い自分の意思と責任において関係を築いていくものということになります。

この川島武宜氏の著書は、昭和30年のものでありながら、現在でも、とても説得力を持っているように感じます。

法学者が、こんな内容を書いているというのに驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、家族法の分野では、とても大切な考査なのです。

歴史を振り返ると、人間関係は社会制度の影響を受けて成立していることを考慮にいれて理解することが大切だと私は思っています。

祖父母の世代、父母の世代、そして自分の世代、そして新しい世代、法律は成立して施行すれば変わりますが、その制度が実際の社会生活に浸透していくのは、やはり長い時間が必要です。

その変化にともなう混乱や人間の喜びと痛みが、その時間の中で様々なドラマをうみだしながら、ようやく制度と現実が一致していくことを考慮にいれて、家族関係や人間関係を理解していくことも、制度を越えて、人間としてのこころの繋がりを深めていくのに大切なのではないでしょうか?

文責  プロカウンセラー池内秀行

2008年03月17日作成,2020年08月18日一部改訂



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