セルフケア
セルフケアは、自分で自分自身をいたわることです。
よく「頑張っている自分へのご褒美」という言い方をすることもありますが、それは自分のことを後回しにして、仕事や家庭、他者のことを優先している人たちに一息つくことを勧めるために使われていることが多い表現です。
それでも、「自分は他の人と比べて頑張っていない」「もっと頑張れる」という理由で、自分自身をいたわるのを後回しにする人たちもいます。
そういう人たちも含めて、「セルフケア」についてお伝えしたいのは、セルフケアは頑張っている、頑張っていない関係なく、自分で自分自身をいたわることで、「自分に厳しい基準ではなく、自分に優しく、自分に慈悲深く、他者と比べず、自分自身を認めて、一息ついたり、自分のニーズを自分自身の行動で満たしたり、自分の探究心や好奇心を自ら行動することで応え楽しんで満たしていくこと」です。
セルフケアのはじまりは、1940年代に医療者が患者に患者自身の健康を守るための行動について教育しはじめたのが始まりと言われています。
その後、健康の概念が発展し、患者が健康を守るだけではなく、疾患の有無に関わらず、人が健康を守り、維持し、より健康で生活していくために自分で出来る行動、QOLの向上、最近ではウェルビーイングを向上させていくことに資する自分で出来るケアもセルフケアとして理解されるようになってきています。
「健康」とは?
では、「健康」とはどんな状態のことでしょうか?
健康については、それぞれの経験に基づく理解もあり、人それぞれ異なります。
WHO(世界保健機関)の健康の定義(1948年)によると、「健康とは、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であるということであり、単に病気・病弱ではないということに尽きるものではない。(Health is a state of complete physical,mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.)」とされています。
そして、慢性的疾患を抱えて生きている方は、病気と良い関係を築き、精神的・社会的に満足する生き方をしていることが健康であるという、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)も健康という点で、とても大切であると考えられており、QOLを向上させていくことが健康という点で価値として大切なものとして位置付けられています。
したがって、QOL(生活の質)の向上という価値は、病気を抱えて生きている人たちだけではなく、全ての人たちの健康と生活を考える時の指針として位置付けられるようになってきています。
セルフケアのいろいろ
セルフケアは、その時々の自分自身のコンディションによって、多種多様です。
心身ともに疲れている時は、高いストレス状態を緩めてリラックスできることがセルフケアになります。
日常的に、心身ともに良いコンディションの時は、それを維持していくために、一息ついたり、自分のニーズを満たしたり、好奇心や探究心から興味があることやしたいことをすることがセルフケアになります。
セルフケアにはいろいろありますが、今回は、時間や費用を基準にしたセルフケアを紹介したいと思います。
(1)自分だけの時間と、費用が必要でも日常生活に必要な範囲の費用でおこなえるセルフケア
- ゆっくりお風呂に入る
- 散歩をする
- ジョギングなど軽い運動をする
- 好きな音楽を聴きながら自分の好きなことをする
- 昼寝
- 笑う
- 一人瞑想
- 一人ヨガやストレッチ
- ボッーとした時間を過ごす
- 何もしないでのんびり過ごす
- 日当たりのよい、自分にとって心地よい場所を見つけて日光浴
- その他いろいろ
(2)自分だけの時間、誰かと一緒に過ごす時間と、お小遣いレベルの費用の範囲内でおこなえるセルフケア
- 本を読む
- 友達と楽しいおしゃべりをする
- 日記やブログを書く
- 楽器を弾く、絵を描く、花をいける、ガーデニング、料理など自分の好きなことをする
- 映画館に映画を観に行く、美術館に行く、自宅で映画やドラマをみるなど
- カラオケに行く
- その他いろいろ
(3)まとまった時間と、まとまった費用が必要なセルフケア
- いつもより贅沢な食事に行く
- マッサージ、美容院やエステに行く
- ジムに通ったり、まとまった費用が必要なアクティビティ
- 自分のニーズを満たす高額な買い物
- 家具の新調など生活環境を変えて気分を一新する
- 旅行やドライブ
- ボランテイア活動
- 習い事をしたり学びたいことについて講座を受講する
- その他いろいろ
セルフケアはライフスキルの一つ
セルフケアの大切さや価値がわかってくると、セルフケアを意識的に生活の中に取り入れることそのものが、日々の健康管理だけではなく、人間関係や職場の悩みなどストレスを感じていることに健康的に対処していくことを意識的に生活の中に取り入れることが出来るようになると、それはライフスキルの一つになります。
セルフケアとしてのカウンセリング
カウンセリングもセルフケアの一つとして位置付けられます。
自分のニーズを確認し、どのように満たしていくのか。
人間関係や職場の悩み家庭の悩みなど、ストレスを感じていることに健康的に対処していくサポートを受けていくことそのものが、QOLの向上、ウェルビーイングの向上につながるからです。
プロカウンセラー池内秀行
2015/03/21作成・2020/07/20改訂・2024/03/06一部改訂
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Wrote this article この記事を書いた人
プロカウンセラー池内秀行
個人やカップル、家族や友人同士での心理カウンセリング・セラピーを提供しています。個人の生活や人間関係や家族関係、恋愛・夫婦関係などカップルの関係性の改善、仕事の悩みや問題の解決、感情的な悩み、自分自身のこと、ストレスによる身体症状、生きづらさ、トラウマの癒しなど、日頃のちょっとしたことから深刻なことまで、ご相談内容に応じたオーダーメイドのカウンセリングを提供しています。初めての方も安心してお越しいただける環境を心掛けています。お気軽にご連絡ください。