本当の自分=人間としての自分自身

自分自身に気づく

私のカウンセリングセッションの中では、多くの人が自分自身に気づく体験をされます。

例えば、「私、昔、参加したビジネスセミナーで、自分の夢を語ってくださいという実習があって、そこで「自分になりたい」という話をしたことを思い出したんです。そしたら、私、今、「自分になっている」って気づいたんです。

*この例えは、各種自己啓発セミナーに参加した経験がある人がよく言葉にしてくれる内容を合成したものです。

こうした自分自身に気づく体験をされると、その人の眼差しは生き生きとしていて、その目は、私の目をしっかり捉えて、その声は、声の大きさに関係なく、はっきりとしており、喜びが直接伝わってきます。その場に一緒にいる私も身体が共鳴して嬉しい体験が伝わってきます。

カウンセリングのプロセスで「自分自身」に気づく体験

そこには、言語化できない感覚的もたくさん含まれているのがわかりました。

こうした体験は、カウンセリングのプロセスがある程度進んでいくと、ご本人の自己認識力が育まれて向上し、それに加えて、私のセッションの場合は、身体感覚も大切にしていくので、その両方が相まって、「自分自身」に気づく体験になっていきます。

自分探しの旅 本当の自分とは?

人は、仕事や生活、人生でいろいろあって、疲れてしまい自分がしていることの意味を見失ったり、何をしていいかわからなくなったり、自分が何者かわからなくなったりすることは、多くの人が体験することです。

また、家族関係や周囲の人間関係や環境の影響を受けて、何か生きづらさを感じて、そこから抜け出したいけど、しがらみがあったり、毎日の忙しさなどで、現実を変えていく行動が先延ばしになっていることもあります。

こういう状況や状態の時、人は新しい何かを探したり、新しく何かを始めることで、対処していくことがよくあります。

なかには、自分探しの旅を始める人たちもいます。

実際に旅に出て色々な経験をしたり、その他に、興味が湧いた資格試験の勉強をしたり、大学や大学院に入ったり、様々な自己啓発やスピ系の書籍を読んでセミナー、ワークショップに参加するなど、いろいろな形があります。

こうした活動は、人間として大切な探究活動であり、人生に意味をもたらしてくれることはよくあります。

自分探しに行き詰まっている人たち

一方で、自分探しに行き詰まって、生きづらくなっている人たちも存在します。

自分の特別な役割を探している

自分探しに行き詰まっている人の中には、「本当の自分」の理解が「自分の特別な役割」になっている人たちがいます。

ここで「本当の自分」とは何かということですが、ここでは、後述するように、「本当の自分」というのは「人間としての自分自身」です。

自分の特別な役割を探している人は、他者や社会が評価してくれないと満足できないので、「スペシャル」な拘りが強くなって、どこまで行っても、自分自身で自分を受容することができず、無力感や無価値感を感じて、そこから離れることができず、もっと違う自分を探し続けてしまいます。

カウンセリングで「ビジネスセミナーや各種自己啓発セミナーやスピ系のセミナーを受講して傷ついた体験」を癒していくこともありますが、そこで伺う話から、「特別な役割がスペシャルな自分であり本当の自分である」という考え方で提供されているセミナーもあるようで、その前提で内容が構成されていて、それを受講して理解して受け入れようと努力すればするほど、「人間としての自分自身」と「役割」が混乱してしまうのは必然だなと思うことがあります。

仮に、「特別な役割」を見つけて満足しても、その役割が役目を終えると次の役割を探し始めます。その特徴の一つとして、「特別な役割」で自分が成し遂げたことを受け入れることや休んでくつろぐことが出来ない状態が続くという状態があります。

「人間としての自分自身」と「役割」が混乱して区別がつかない状態が続いてしまっているのです。

自分探しは、いろいろな考え方と理解があるのでしょうが、カウンセラーとしては、仕事や生活、人生でいろいろあって、疲れてしまい自分がしていることの意味を見失ったり、何をしていいかわからなくなったり、自分が何者かわからなくなっているときや、また、家族関係や周囲の人間関係や環境の影響を受けて、何か生きづらさを感じているのは、本来の人間としての自分自身のニーズや感情よりも周囲に求められていることを常に優先して過剰に適応し続けることに嵌ってしまっている時が多いので(要は「完全に役割に嵌っている」時)、自分探しがはじまるのは、その時は自覚できなくても、要は「完全に嵌っている役割よりも、本来の人間としての自分自身のニーズや感情を満たしたいという人間としての強い欲求と探究心が勝る時」なので、「特別な役割がスペシャルな自分であり本当の自分である」という考え方で自分探しを続けても、本当の自分には出会えないのでは?と問いかけたくなります。

「自己実現=本当の自分」という考え方

また、自己実現している自分が本当の自分という考え方もあります。

この考え方については、そもそも「自己実現」そのものの理解が人によって異なるので、良し悪しはなんとも言い難いのですが、一つだけ言えることがあります。

それは、自己実現も社会的には一人では実現出来ないので、何か人を巻き込んで社会的活動の中で自己実現をしていくには、倫理観をはじめ社会規範などの影響を受けるので、そこには「求められる役割」が含まれているということです。

この「求められる役割」がある限り、どこかで自分自身のニーズと他者のニーズ・社会的ニーズの調整が必要になりますし、感情の調整も必要になります。状況によっては、他者のニーズ・社会的ニーズを優先することが求められるので、自己実現していても常に自分自身が満たされるわけではなく、人間としての成熟さが必要となります。

実際、「自己実現=本当の自分」という考え方の人の場合、状況によっては、他者のニーズ・社会的ニーズを優先することが求められることがあると、葛藤が生じやすく、それを優先すると本当の自分ではないと感じたり、自己実現していても、していないと思ってまた別のことを始めてしまう人もいて、それがカウンセリングのテーマになることもあります。

何より、この考え方で成功している人の場合、実際、強い自分自身への拘りから、本人は自覚なく、他者との関係で、DVやモラハラ・パワハラ・セクハラをしていることがあります。

本当の自分=人間としての自分 自分探しの旅

自分探しの旅は、生まれてこの方、自分にどんなことがあり、その当時それをどう感じたか、今はそれをどう感じているのか、また、関わってきた人や環境からどのような影響を受けて、それが今の自分にどのように影響していて、どのような役割を身につけてきたかをじっくり吟味していくプロセスです。

そのプロセスの中で、人間としての自分自身のニーズや感情がはっきりとわかるようになってくると「本当の自分」という感覚がわかるようになり、役割主体ではなく、自分主体で生きられるようになり、「本当の自分」と「役割」のバランスがとれるようになっていきます。

移民文化の外国では、自分の先祖が辿ってきた何世代にも渡って移動してきた道を辿る旅をすることで、自分の親や祖父母含めた親族がどのような生活環境の中でどのような生活を営んできたかを自分自身で確認することで、自分が親族からどのような影響を受けて、先祖からどんなことを引き継いできたかを吟味して、自分のアイデンティのルーツを確認するという話を、カナダ人から教えてもらったことがあります。

以前、日本とカナダのケベックを行き来して生活していた時、ケベックシティの広場でそれぞれのルーツを祝うお祭りイベントが開催されていて、それぞれがルーツの文化を象徴する衣装を着て道具を持ち寄り楽しく自慢しあっていたのを楽しく思い出すことがあります。

人間としての自分を大切にして生きていく術

人間としての自分と役割の区別がつくと、人間としての自分を大切にしながら、役割も大切にしていく生き方の術を身につけていくことが大切になります。

そのためには、「変えていく必要があるもの」と「変えなくて良いもの」を見極めて区別していくことが大切になります。

自分を役割に縛りつける自動反応の習慣に気づいて、新しい習慣に変えていくのは、なかなか大変な作業ですが可能です。

「良いこと、良い環境に慣れていく」プロセスが一番大事です。

カウンセリングでは、変えられることを変えていくことも大切ですが、変わった後、変わり続けるよりも、「変わった良い人間関係や環境に慣れていく、良いものに自分を馴染ませていく」プロセスが変わるより時間を必要とします。

人間としての自分自身がわかるようになると、その歩みの先には、現実的な人生を生きている、ありありとした実感をともなった日常があります。

そこは夢の世界ではなく、リアリティのある実感を伴う世界です。

トラウマの影響

トラウマも「自分であること」ことを阻みます。

トラウマ反応は、危機的状況から身を守るための生物としての反応なので、その反応である、過覚醒やフラッシュバック、解離、感覚の麻痺などの身体反応や身体症状は、防衛反応なので、自分自身でいるよりも、身を守る方を優先する反応だからです。

トラウマの影響がある場合、カウンセリングで安全にそのトラウマを癒していくことで、不必要な状況や場面での防衛反応がなくなっていきます。

2015年08月04日作成,2015年07月16日一部改訂,2020年02月25日一部改訂・2023年11月24日一部改訂

文責 カウンセラー池内秀行

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自分自身の状況や状態、人間関係がどのような状態なのか、それを理解するだけで解決に向けて大きく前進することも沢山あります。

ニーズに応じて、個人セッション、カップルカウンセリング、ペアカウンセリング、家族カウンセリング・トラウマカウンセリングを提供しています。

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