人は傷つくと、どうなっていくのか?

人は傷つくと、どうなっていくのか?

人は傷つくと、どうなっていくのか?

こんにちは。カウンセラーの池内秀行です。

人は傷つくと、どうなっていくのでしょうか?

人は傷つくと、その痛みを和らげようとしたり、紛らわそうとしたり、無くそうとしたり、その時できる、いろいろなことを試みます。

しかし、それが思うようにいかないと、罪悪感や恥ずかしを覚えて混乱し、人といても楽しいとは思えなくなったり、自分のことを不十分と感じるようになっていったりします。

そして、気づくと自分の殻に閉じこもるようになっていたり、そんな自分を人に気づかれないようしようと、相手や状況に応じて、いろいろな仮面をかぶるようになっていきます。

こうした状態をケアせずに続けていくと、それがいつしか生きづらさとなっていきます。

傷つきをケアしないで頑張っていると

自分の傷つきをケアしないまま、頑張って生きていると、その影響はいろいろです。

特に、自尊心や自己肯定感との関係では、人は傷つくと、その影響で、自分の能力を自分で信じられなくなり、何かうまくいかないと、全て自分が悪いと自分を責める頻度が増えていき、自分を責めれば責めるほど恥ずかしさを覚えていきます。

その結果、恥の意識から、本来の能力よりも低い成績や立場に止まってしまうようになります。

自分を責めて、自ら恥じる傾向が強い人は、自分の感じていることや考え、意見には価値があるとは思えないので、自分で決めることができなかったり、自分にとって大切な場面で自分のために大切なことを発言できなかったりします。

発言できても、話の内容の抽象度が高くて相手に伝わりにくい表現になりがちです。

その結果、他人を自分より優位な立場においてしまい、自分は望んでいないのに、他人に振り回されたり、利用されたり搾取されてフラストレーションに苛まれていきます。

自分で決めることが出来なかったり、発言できなかったり、他人に振り回されていると、親しい関係の人から「もっと自信をもっていいよ」とか「はっきり言葉にした方がいいよ」とか「断ればいいのに」等、気にかけてくれる人もいます。

しかし、決められない・発言できないという、その影には傷ついた部分があるので、本人にとってはもう一歩というところでとても難しくなってしまいます。

何より、大切な場面で、傷ついている部分を守ろうと身体も生理的に反応するので、その反応で身体が固まり声がでなくなってしまうことも多くの人にある反応です。

何より、勇気を出して言葉にしても、それを受け取ってもらえなかったり、軽んじられたり否定されると、さらに傷ついてしまい、負のスパイラルが強化されてしまうこともあります。

ドアマット状態になってしまう

こうした状態が続くと、自分の性格や人間性の問題として自己否定感がさらに強化され、諦めるのが普通になっていってしまいます。

アメリカの臨床の世界では、諦めるのが当たり前になって、相手にいいように踏みつけられて、相手の問題や責任を引き受けさせられて、感謝はされるけど、中には入れてもらえないし、自分には何も良いことが無いという状態に慣れてしまっている人たちのことを「ドアマット」という表現をします。

ドアマット状態になっている人の周囲には、必ず、自分の都合を優先して他者を尊重しない上から目線の人が存在します。

ドアマット状態の人は、自分の都合を優先して他者を尊重しない人たちに、どんな事でも何でもやってくれる人として評価されています。

そして、その実態は、いいように利用されたり、搾取しされる一方的な関係性です。

その一方的な関係性が、ドアマット状態の人の現実的な問題をつくりだして、本当は関係の無い人間関係の問題に巻き込まれていきます。

親しい関係の中で、お金を貸しても返してと言えず相手の要求に応じて貸付額が増えていくという問題を抱えている人の多くは、ドアマット状態になっており、相手は、それをわかって利用したり搾取している人であることがよくあります。

ドアマット状態の傾向をもつ人が抱えてしまう問題

ドアマット状態の傾向をもった人が、会社等のシステムの中で、リーダーや管理職、会社の跡継ぎなどで経営者になると、部下に振り回される関係になることがよくあります。

また、逆に、ポジションパワーがその人を守ってくれることから、部下の能力や結果を評価しない厳しい一方的なリーダーや管理職、経営者になってしまい、ハラスメントの問題を抱えたりします。

ドアマット状態を卒業するには

ドアマット状態を卒業するには、まず、あなたを尊重して大切に関わってくれる人たちと過ごす時間を増やしていく必要があります。

想像してみてください、そういう人たちとの時間を増やしていくと、自ずとドアマット状態のあなたを利用したり搾取する人たちとの時間が減っていきます。

しかし、あなたをドアマットとして利用したり搾取する人たちは、いろいろな誘い方や理由で、会おうと誘ったり、頼みごとをしてきます。

そこで、あなたは、勇気をだして、NOを言う断るチャレンジを繰り返していく必要があります。

利用される搾取される状態が長く続いていると、最初、NOを言うのは難しいものです。

また、そもそも、自分を尊重して大切にしてくれる人たちと、利用したり搾取する人たちの区別がつかなかったりもします。

そういう自分に気づいていたり、本当に人生を変えたいのであれば、カウンセリングなど専門家の具体的なサポートを受けながら、その区別の仕方、コミュニケーションスキルや自分と他者を区別する概念など、必要なことを身につけながら、傷ついている自分を癒していくという方法もあります。

もちろん、それとともに、自分で出来ることや出来ていることを客観的に評価して、自分の能力について適切な自己評価基準を育み、自己効力感や自尊心を育んでいくことが大切です。

この適切な自己評価基準を育むには、客観的に、そしてご本人を尊重してくれる安全で安心感を感じられる関係性を築ける人の適切なサポートが不可欠です。カウンセリングはその一つです。

適切な他者のサポートが必要な理由は、長く自分で自分を否定することに慣れていると、自分で自分を評価する力より、自分を否定する力の方が強く、自分を評価する力がついてきても、何か傷つきそうな場面になると、傷ついている自分を守るために、自分を評価する力を否定しまうことがよくあるからです。

なにより、自分の能力を自分で否定することで、傷ついている自分を守ろうとしてきたのですから、それに代わる自分を守る術を同時に身に付けていく必要があります。

そうしていかないと、自分を守れなくなるので、結果として、今までのドアマットをやってしまうことになるからです。

本当はいろいろなことが出来ている

自分を責めるのが得意な人は、客観的にみていくと、実はたくさん出来ること、出来ていることがあります。

それは、本人が自覚していなくても、自分の人生を助けてくれています。

そして、必ず、その能力に気づいていて評価している人が存在します。

ドアマット状態が本来の自分だと思っている限り、自分の能力を認めて、自分を大切に思い尊重してくれる他者の存在にも気づくことができないこともよくあることです。

癒しのプロセスがすすんでいくと、身近にとても良い関係性を築ける他者が存在することに気づくこともよくある話です。

2018年03月15日作成,2020年03月04日一部改訂

文責 プロカウンセラー池内秀行


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プロカウンセラー池内秀行

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