親密で幸せを感じられる人間関係を育んでいくために必要なこと

親密で幸せを感じられる人間関係を育んでいくために必要なこと

親密な人間関係とは?

お互いを尊重し、親密で幸せを感じられる人間関係は、大人の人間関係です

親密さとは?

相手に理解されている、大事にされている、親しみを感じるフィーリングや感覚を感じられることです

経験則では、こうしたフィリングや感覚を感じられることを「幸せ」と言い表す人が多いです

親密な人間関係とは?

お互い相手に理解されている、大事にされているという感覚と親しみを感じられる関係性のことです

お互いなので、片方はそう感じていても、もう片方はそう感じていないなど、

一方通行の場合は、親密な関係性とは言えません

お互いが親密さを求めているのであれば、出会い方やお互いの立場は関係なく、

知人レベルの関係、仕事の人間関係、友人関係、家族関係、親子関係など、

それぞれの関係性に応じた親密さがありますので、全ての人間関係で成り立つ関係性です

親密な関係性を育んでいくために必要なこと

親密な関係性を育んでいくために必要なことがあります

それは、お互い「相手に役立つ関わりやコミュニケーション」

「相手のことをわかろうとする関わりやコミュニケーション」です

こうした関わりがどのような関わりなのかを理解するためには、

人間の基本的なニーズについて理解することが役立ちます

人間の3つのニーズ

人間は社会的な生き物です

社会的欲求も含めると、欲求についてはマズローの欲求5段階説などありますが、

日常生活の経験則をベースにすると、

日常的なニーズは次の二つに大別することができます

(1)自分が人間として生きていくために必要な基本的ニーズ
(2)基本的にーずとは別の社会的ニーズや個人的な価値観に基づくニーズ

(2)は、「それがあれば、自分の生活や人生を満たしてくれるものへの欲求」と「それがあれば、自分の人生に特別な満足を与えてくれる欲求」に分けることができます

そして、こうしたニーズは次の3つのカテゴリーに大別することができます

  1. 「人間として生きていくために満たされる必要があるもの(needs)」 
  2. 「それがあれば、自分の人生や生活の満足度を向上させてくれるもの(want)」
  3. 「それがあれば、自分の人生にとって特別な満足を与えてくれるもの(desire)」 

needs

needsは、人間として健康的に生きるために必要なもので、

人間の尊厳と安心と安全に関するものです

例えば、 

  • 身体の安全
  • こころの安全
  •  物理的な安全
  • 安心・安全・満足を感じられる衣食住と生活環境
  • 嫌なことをNOと言える、自分の意思に反して強いられない安全な関係性
  • 自己表現をしてもOKという安心感と安全な場所
  • 助けが必要なときにそれを求めることができる安心感と関係性
  • プライバシーが守られる安心感と関係性
  • その他

上記も含め、生活していくうえで必要な安心・安全を感じられる衣食住に関する物質的なもの、環境に関することです

want

wantは、needsを満たしてくれるだけではなく、

自分の生活や人生を充実させてくれる、

楽しさや豊かな体験をもたらしてneedsの満足度を高めてくれるもので、

個人の考え方や価値観や趣向に沿った欲求です

例えば、 

  • 自分が好きと思う興味がある物を手に入れることや、好奇心や探究心から興味がある活動をすること
  • 今の生活をさらに快適にしてくれる物を手に入れることや、自分を成長させたりお互い高めあえる関係性など
  • 今よりも個人的にも社会的にも満足を感じられる仕事をしたり社会的に何かを実現すること
  • その他、QOLを向上させてくれるものです。 

desire

desireは、needsやwantと異なり、ステータスや特別な付加価値のついたものを求めるニーズです

例えば、

  • 社会的に地位がある職業につくこと
  • 高級な品物や設備を手にいれること
  • 特別な待遇を求めること
  • 特別な権利を得ること
  • その他、社会的、文化的に特別とされているものや待遇や地位を求めること

親密な人間関係を育むたに必要不可欠なこと

親密な人間関係を育むために必要不可欠なのは、

お互いのニーズに関心をもって関わりをもち、

コミュニケーションしていくことです

それが「相手のことをわかろうとする関わりやコミュニケーション」です

この関わりは、共感的なもので、

白黒つけたり判断や結論を出すためのコミュニケーションではなく、

相手のニーズ、ここでは現実的なものだけではなく、

「考え」「気持ち」「感情」「体験」など内面的・主観的な体験を受容することも含まれます

ここで大切なのは、相手に自分のニーズをわかってもらうことを求めるのであれば、

自分自身で自分のニーズに気づいていること認識していることが必要ということです

同じく、相手のニーズをわかろうと思うと、自分自身のニーズに気づいていること認識していることも必要になります

理由は、自分自身のニーズに気づいて自覚していないと、

自分のニーズなのに相手のニーズと勘違いしてしうことがあり(心理学でいう投影)、

押し付けになったり、大きなお世話になってしまうことがあるからです

相手のことを思ってわかっていると思っていても、

話が噛み合わなかったり、誤解が生じたり、

いくら理解を示してもわかってもらえた気がしない時は、

お互いまたは一方が自分自身のニーズがよくわかっていない可能性があります

こういう時は、自分自身のニーズに正直になり相手に伝える、

相手のニーズを確認する、

お互いのニーズを確認する話し合いが大切になります

確認の話し合いので大切なのは、

相手の立場に立って、「考え」「感じ」て理解し、受容していくことです

親密な人間関係を育むために必要なこと

親密な人間関係を育むために必要なのは、

お互いのニーズの中でも、needsとwantに関心をもって関わりをもち、

コミュニケーションしていくことです

日常的に、こうしたい、ああしたい、これが欲しい、こうしていきた、こうして欲しいのやりとりは、

wantに関する関わりが多いのですが、そのwantの背景にはneedsがあります

wantにしか意識がいかないと、

いくら満たそうとしても、needsからズレると、人は充分に満足できないことがよくあります

相手の大切にしている価値観や好みなどにそった満たし方を実践する時、

同時に、その背景にあるneedsが同時に満たされていくと、

それが安心感や信頼の礎になっていきます

こうした関わりが「相手に役立つ関わりやコミュニケーション」です

wantについては、

それぞれ求めるものが異なることはよくあることで、それは、一種の異文化交流のようなものです

お互いの違いを受容しつつ、親密な関係を育むには、

お互いの関わりと協力で人生や生活を充実させたり、幸せを感じられること、

豊かさを体験できる「物」や「事」を発見して、お互い大切に満たしていく努力、

満たし合う関わりをしていく努力を続けていくことが大切です

wantを重視しneedsを軽んじた人間関係は、

お互い相手の必要性に応えていく信頼関係があったとしても、

お互い、相手をわかろうとする関わりやコニュニケーションがないと、

虚しさや寂しさがよぎることがあり、

何か行き違いや誤解があると、

利用されているような体験をすることもあります

DVやモラハラ、パワハラを行う人たちは性別関係なく、

wantや次のdesireを重視しneedsを軽んじている人たちが一定割合存在しています

親密な人間関係を育むために必ずしも必要はないが、それぞれの価値観によっては個人的満足度や社会的満足度をあげてくれるもの

親密な人間関係を育むために必ずしも必要はありませんが、

それぞれの価値観によっては社会的満足度をあげてくれるもの、

それがdesireです

desireは満たされると刺激的であったり大きな喜びを体験できます

しかし、一方で、お互い人間として分かり合える関わりやコミュニケーションが成立していないと、

一時的または一定期間は満足する関係が成立するとは思いますが、

needsは満たされることはなく、親密な人間関係は育っていきません

desireを重視し、needsやwantの価値を軽んじた人間関係は、

どんなに沢山の人との付き合いやネットワークがあったとしても、

どこかで、寂しさ、悲しさ、孤独を感じてしまう人たちもいて、

どこかのタイミングで、その孤独はdesireを満たし続ける努力だけではなくならないことに気づいていきます

幸せで親密な人間関係を育んでいくために必要なことは、大人同士の親密な人間関係を理解し育んでいくこと

人はいろいろな出会い方があり、人間関係もいろいろな始まり方があります

どんな出会い、始まり方でも、

お互い親密な関係にしていきたいのであれば、

お互い「相手に役立つ関わりやコミュニケーション」「相手のことをわかろうとする関わりやコミュニケーション」を続けていく努力が必要です

それが大人同士の親密な人間関係であり、

幸せで親密な人間関係を育んでいくために必要なことになります

私のカウンセリングでは、自分自身のニーズ、相手との関係で求めているニーズなど、

個人セッションやカップルセッションで、

自分自身も相手もお互い気づいていなかったニーズに気づくこともよくあります

お互いのニーズがわかるようになると、そこから問題が解消されていき、関係性が良いものに変わっていきます

(2014-07-07 文責 池内秀行)
2023-11-29一部改訂,2023-12-1一部改訂,2024-03-02改題・一部改訂,2024,03,20一部改訂


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最寄り駅は恵比寿駅、目黒駅です

広尾駅、白金台駅、中目黒駅からも徒歩圏内です

Wrote this article この記事を書いた人

プロカウンセラー池内秀行

個人やカップル、家族や友人同士での心理カウンセリング・セラピーを提供しています。個人の生活や人間関係や家族関係、恋愛・夫婦関係などカップルの関係性の改善、仕事の悩みや問題の解決、感情的な悩み、自分自身のこと、ストレスによる身体症状、生きづらさ、トラウマの癒しなど、日頃のちょっとしたことから深刻なことまで、ご相談内容に応じたオーダーメイドのカウンセリングを提供しています。初めての方も安心してお越しいただける環境を心掛けています。お気軽にご連絡ください。

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