そもそもトラウマ・PTSDとは何か?

意外とトラウマは身近なもの

多くの人にとって、「トラウマ」という言葉は身近になってきていると思いますが、それは言葉だけで、実際はどこか特別なもので、自分からどこか遠いところにあるように思っている人たちが多いものです。

しかし、意外とトラウマの影響は日常に溢れています。

トラウマとは、身体や生命の危機が伴う危機的な体験と理解されていますが、最近の専門領域では、身体や生命の危機が伴わなくても、その人の心を強烈にかき乱すような体験もトラウマ体験になることがわかってきています。日常的な人間関係や仕事上のショックな体験、自分以外の身近な人の心痛むショックな体験も、人によってはトラウマ体験になります。それに気づかず、トラウマティックストレス反応に配慮しない生活をしていると、トラウマ反応が消失せずに、反応として残ってしまうことがあります。

実際に、日常会話の中で、何気なくトラウマの話をしていることがあります。

例えば、次のような会話で、身体にギュッと力が入ったり、肩や背中に重たい感じがしたり、呼吸が浅くなるなどの身体反応が伴う場合、全てとは言い切れませんが、背景には抱えているトラウマ体験によるトラウマ反応が影響していることがよくあります。

「それ前にやったことあるけど、うまくいかなくて嫌な思いをしたから絶対にやらない」
「はじめて会った人なんだけど、見てるだけでなんだかムカついてくるんだよね」
「その話やめて。嫌な事思い出すから。」
「これで良いとわかっているけど、やってると気分が落ち込んできて続かないんだよね」

日常生活で、必要以上に(不自然に)人や物事や特定の状況を避けたり、特定の場所を避けたり、全く思い出せない事があったり、突然ネガティブな気分や嫌な感情が湧き起こってくることがある場合、それは過去のトラウマ体験の影響を受けたトラウマ反応である可能性があります。

トラウマとは何か?

トラウマとは古くからは「こころの傷」いわれいます。

ここでいう「こころの傷」とは、最近のトラウマ研究の知見では、トラウマは、精神的なものだけではなく、身体反応を伴う身体的な体験でもあるので、「トラウマとは、生命や身体に脅威を感じるような危機的体験とそれがもたらす影響」のことを言います。

専門的にも、トラウマは、専門性の視点から、いろいろな説明の仕方があります。そのエッセンスを取り入れて一つにまとめると次のような説明になります。

「トラウマとは、その人にとって危機的で対処不能な出来事に対する、身を守る反応として生理学的に生じる強度の防衛的ストレス反応(トラウマ体験)が、その後の時間の経過によっても解消されず、その身体反応が定着してしまい、その定着した反応(トラウマ反応)が日常生活にもたらす影響」

ここで大切なのは、どのような出来事がトラウマ体験になるのかは、客観的なものではなく、個々の主観的体験によるということです。

同じ体験をしても、ある人にとって「生命に関わるような危機では無い」としても、ある人にとっては「生命に関わるような危機である」場合、生命に関わるような危機として体験した人にとっては、トラウマ体験になります。

何より、最新の神経生理学的、生物学的な研究も踏まえたトラウマの理解では、トラウマとは身体的なものであり、日頃の生活の中にトラウマ体験となる出来事は溢れていて、誰にとっても身近なものであることがわかってきています。

それは、その人の心を強烈にかき乱すような体験もトラウマ体験になることです。ハラスメントやいじめ、無視されるような社会的苦痛をともなう体験にくわえ、日常的な人間関係や仕事上のショックな体験、自分以外の身近な人の心痛むショックな体験もトラウマ体験になります。

トラウマ体験となる出来事

日常的なものとしては、家庭や学校・職場、交友関係における様々な人間関係の葛藤やトラブル、いじめ、ハラスメント、暴力などはもちろん、身体に侵襲的な医療行為や、代替医療行為もトラウマ体験になる場合があります。

こうした日常でのトラウマ体験はもちろん、非日常的なトラウマ体験も、本人が話せないことが多く、周囲に気づいてもらうことが難しいうえに、実は本人もトラウマ体験になっているとは気づいていないことも多いのが実情です。

心身の不調や問題が出てきても、病院に行っても病気ではないと診断されることも多く、「ストレスだと思うのでゆっくり休んでください」と言われる不調が実はトラウマ反応そのものということもよくあります。

日常生活の中で、トラウマ体験になり得ることの一部をご紹介します。

映画・テレビ・読書・ゲームなどによるバーチャルな恐怖経験
ひどい怪我をする
病気によって高熱が出る経験
重い病気の経験
高い所から落ちる経験
歩いている時、走っている時、自転車など乗り物にのっている時、人に押されるなどによって転倒する経験
溺れる経験
窒息しそうになる経験
自動車や電車など乗り物に乗っている時の事故の経験
犬やその他動物、蜂などの昆虫に噛まれたり襲われる経験
麻酔の経験
病院での医療処置や歯科治療や手術の経験
困難な出産の経験
薬物や食べもにによる中毒の経験
火傷の経験
パワハラ・セクハラ・マタハラ・モラハラなどハラスメントの経験
いじめの経験
人に裏切られる経験
不倫の経験
暴力をうける経験
脅かされる経験
家庭内暴力を受ける、見る経験
親の離婚や親族がもめる経験
強盗や窃盗、住居侵入など犯人と出くわす経験
愛する人・大切な人の死や突然死を経験
ペットの死を経験
身体的虐待、精神的虐待の経験
子供のときの身体的、精神的な暴力・虐待の経験
性暴力・性的虐待(性別関係なし)の経験
戦慄の走る経験
ひどい怒られ方・叱られ方、折檻、拷問の経験
宗教やお祭りなど儀礼の中での心理的抑圧や身体的苦痛を伴う虐待的な経験
戦争経験
テロリズムに巻き込まれる経験
自然災害(台風・津波・地震とそれに伴う災害)の経験
その他

以上のような経験を直接していなくても、こうした場面に遭遇したり、偶然に居合わせて目撃した場合も、トラウマ体験になり得ることがわかっています。

また、社会的・仕事・学業上での失敗や、ピンチなど、社会的に批判されたり否定される恐れのある経験をしている時の高い緊張・ストレス状態もその体験によっては、トラウマ体験になることがわかっています。

トラウマ反応とは?

トラウマ反応とは、過去、トラウマ体験になる出来事を経験し、その体験が、その人にとって心理的・身体的に対処しきれない、生理学的な身体の防衛反応による急性ストレス反応を伴う体験をして、その後、その反応が心理的・身体的に解消されないまま時間が経過して定着し、その体験と似たような状況や似たような出来事が起こると、意思の力やその時の認識とは関係なく、過去のトラウマ体験と同じような生理学的な身体の防衛反応が生じて、それに伴い、ネガティブな自動思考になったり、嫌な思いや、嫌な感情的体験をすることです。

ここで大切なのは、トラウマ反応は良いとか悪いとかというものではなく、身を守るための身体的な防衛反応であるということです。

しかし、身を守る必要のない状況や相手との関係で、自分の意思とは関係なくトラウマ反応が生じると、自分が必要としていること、大事にしたいもの、望んでいることを遠ざけてしまい、逆に、問題が生じてしまいます。

何より、トラウマ反応は、状況や人を信じられないという思いや感情とは別に、本人の意思とは関係ないところで防衛的身体反応も生じるので、現実として本人にとって安心で安全な人間関係や状況、環境であればあるほど、そのトラウマ反応により人間関係の問題や現実的な問題が生じてしまい生きづらさが募っていきます。

その結果として、本人にとって健全で健康的な関係や環境に居続けることが難しくなり、リスクのある人間関係や状況、環境の中に入っていき、そこに居つ続けてしまうことがよくあります。

その理由としては、リスクのある環境では、トラウマ反応そのものが実際にその環境で生活していくには必要で役に立つものなので、あまり問題にならないし、逆に自分の能力や力として感じられることもあるからです。

それでも、気づきや出会いがあり、再びリスクのある環境から抜け出して、安心・安全な環境に移っても、やはりトラウマ反応で居られなくなり、リスクのある環境に戻るということを繰り返し、いつしか諦めてしまうということもあります。

そして、それでも、様々な問題に対処しながら生きて、何かを実現して達成することが増えていきますが、その影で、抱えているトラウマ反応の影響で、気持ちも身体も休まることがなく、そうした繰り返しが積み重なって生きづらさが募っていきます。

トラウマを癒していく価値は、ここにあります。

トラウマ反応とPTSD

一般的に、トラウマとPTSDは同じものと思っておられる方が多いのですが、PTSDは診断名であり、トラウマ=PTSDではありません。

PTSDは、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)の略称で、トラウマ体験による急性ストレス障害が時間の経過によっても解消されないままになり発症するストレス症候群です。

PTSDは医療における診断名なので、トラウマ反応を症状群として定義して、その診断基準に合致すると医師がPTSDという診断をします。

上記資料の症状の定義は、アメリカ精神医学会診断基準(DSM)によるものです。

従来はPTSDの中核症状群は3つとされていましたが、2013年5月に改訂されて中核的症状のうち「回避・精神麻痺症状」が「回避」と「認知と気分の陰性の変化」に分けられ、現在は4つの中核的症状群になっています。

また、最新のDSM−5では、さらに診断基準の変更がなされています。

ここで大切なのは、PTSDの診断基準に当てはめて、PTSDと診断されなくても、一部のトラウマ反応は存在するということです。

それは、同じ体験でも、本人としては「生命や身体に脅威と感じるような危機的体験」として認識していなくても、生物としての身体は、本人の認識には関係なく、危機的状況における正常な生理学的防衛反応である急性ストレス反応が生じており、その結果として、4つのうちのいずれかに該当するトラウマ反応は生じる場合もあるからです(反応に個人差はあります)。

このトラウマ反応は、生物としての自然な生理学的反応なので、意思が強いとか弱いとか、性格とか、怖いもの知らずとか、男だから女だからとか、鍛えているからとか鍛えていなとかは関係ありません。

過去の経験知があったり、訓練を受けていたり、知識があると、主観的に対処ができるということで心理的ストレスは、そうでない人より少ないかもしれませんが、身体反応は、それとは別の生理的な反応なので、急性のストレス反応は、どんな人にも生じます。

この身体の急性ストレス反応にともなうトラウマ反応に気づかず、ケアなく無理をして頑張り続けると、そのストレス反応が解消されずに定着していき、主観的には危機的な体験をしていなくても、トラウマ反応として定着してしまうことがあります。

そして、症状によっては、PTSDと診断されるケースもあります。

トラウマが身体的なものでもあると言われる理由がここにあります。

PTSDの発症率

国内の一般に生活している人たちを対象にしたトラウマ体験の経験率とPTSD発症率との関連を検討した研究があります。トラウマ体験の経験率はカテゴリによって様々ですが、、トラウマ体験をもつ人の2%から8%がPTSDを発症すると考えられています(川上憲人,トラウマティックイベントと心的外傷後ストレス障害のリスク:閾値下PTSDの頻度とイベントとの関連,平成21年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)分担研究報告書)。

この研究報告の中で、「生涯のトラウマイベントの経験率」に対する「生涯のPTSDの経験率」において、トラウマイベントとして「周囲の不幸(子供の重病、大切な人の心の傷になるような出来事」の場合、イベントの経験率12%に対して、その内のPTSDの経験率は8.1%、トラウマイベントとして「他害の経験(思いがけず他人に重傷を負わせたり殺したりした、わざと他人に重傷を負わせたり拷問したり殺したりした)」の場合、イベントの経験率7.8%に対して、その内のPTSDの経験率が4.7%と、いずれも高い経験率であることがデーターで出ています。

また、その他のトラウマイベントとして「話したくなかったら言わなかった出来事」も含まれており、生涯のトラウマイベントの経験率25.5%に対し、生涯のPTSDの経験率5.3%という結果になっています。

 トラウマの影響

トラウマを抱えると、自分の人生に希望を感じられなくなったり、自分の人生を自分でコントロールしている感覚が持てなくなっていきます。

トラウマ体験は、感情的痛みを伴ってその人の人間としての対処能力を圧倒するような悲劇的な出来事や、自分の知っている世界をあっという間に変えてしまう出来事なので、それによって心を打ちのめされ、身体的な体験として恐怖感や無力感が残ります。それをケアしないままでいると、出来事が終わった後でも解消されず、その後の人生にも影響を与えていきます。

トラウマ体験の中でも、最も心理的に有害な影響を与える傾向があるといわれているのは、日常生活の中における、夫婦関係、恋愛関係、家族関係、親友など、身近な自分を支えてくれる人、守ってくれる人、信じている人との人間関係の中で起こるトラウマ経験や、相手に意図的に(故意)騙されたり、裏切られたり、意図的な暴力によるトラウマ経験です。

こうしたトラウマは、時間の経過だけで癒えないものが多く、じわじわと長期にわたり人生に影響を与えて「生きづらさ」になっていきます。

こうしたトラウマ体験の影響は、元気に生活していても、本人も気づかない水面下で進行していき、ある日、何かのきっかけで突然調子がおかしくなったりします。

金属疲労で突然金属がポッキリ折れてしまうような感じです。

特に人間関係でのトラウマが理解されにくいのは、他人からの判断や見た目では、「そんなこと気にしなくても大丈夫じゃないの」、「何かの勘違いだよ」、「あなたがこころが弱いからだよ」というような経験の多くの中にトラウマ体験になっていることが沢山あるからです。

その理由は、前記の通り、トラウマになる出来事は「その人にとってそれが恐怖や脅威であった」という主観的な体験によるものだからです。

トラウマは、誰もが日常的に体験して抱える可能性のあるものです。

こんなことは大した事ではないなど、本人以外の人達の主観的な価値観や判断基準によって決められるものではないのです。

人から言われたり、自分自身も「こんなことで悩んだりしている自分が弱いんだ」などと思うことは全くありません。

なかには、そう思うこと自体が陰性反応である「自責」というトラウマ反応であることもあります。

トラウマの症状が日常生活や人生に与える影響には次のようなことがあります。

「家族や友人に対してこれまで持っていたような愛情や優しさなどを感じられなくなっていく、感じられない」
「人にこころを許すことが出来なくなっていく、出来ない」
「スイッチが入ったように怒り出したり、すぐに泣き出したり感情のコントロールが出来なくなる、出来ない」
「恋愛関係がいつもうまくいかない、いつも複数の相手と付き合っている、嫉妬心が強い、いつも喧嘩が絶えない、直ぐに三角関係になるなど、男女関係が長く続かない」
「結婚を境に、関係がすっかり変わって会話がなくなる」
「子育てのストレスに耐えられない、子どもに対して抑えきれない怒りを感じて、つい怒ってしまい、その後、後悔の気持ちで一杯になり立ち直れない」
「自分や他者の人生を妨げる問題に取り組むことが出来なくなる、出来ない」
「自分の能力や素質であれば、当然あげられるはずの成果をあげることができない」
「問題のある他者に適切に対処することができない」
「逆境、失敗、損失などに適切に対処することができない」
「自分と他者を大切にすることが難しくなったり、大切に出来ない」
「自分に自信が持てない、大切とわかっていても意欲がわかない」

トラウマの種類

トラウマには「発達トラウマ」と「ショックトラウマ」、「複雑性トラウマ」があります。

発達トラウマは、子供時代の親子関係や家族関係の中で養育上の関係性の中で体験したトラウマ体験です。

ショックトラウマは、エピソードトラウマや単回トラウマとも言われ、心ない失恋や人間関係の終わり、夫婦喧嘩や親しい人との喧嘩、いじめ、交通事故、高いところや階段からの落下、ケガ、手術など病院での処置や歯医者での処置、映画などでの恐怖の体験、社会的・仕事・学業上での失敗やピンチの経験による高い緊張・ストレス状態などがあります。

複雑性トラウマは、同じ環境や同じ人間関係の中で、繰り返されるトラウマ体験により、ショックトラウマとは異なる、様々なトラウマ体験と喪失体験が折り重なったトラウマです。

トラウマのサイン

トラウマのサインには、次のような反応(症状)があります。

「ふとした時に、突然、つらい体験の記憶とその時の感情がよみがえることがある」、

「つらい記憶がよみがえっていなくても、日常的に常に神経が張りつめていて、身体の緊張が緩まない」

「自覚なく、特定の人や状況、場所を避ける」

「感情や感覚をあまり感じられない」

 トラウマの癒しと回復に必要なこと

トラウマの癒しと回復のために、日常的にはじめられることは自分自身のために「安全」・「安心」を確保していくことです。

「物理的安全・身体的安全」

あなたが現在生活している環境の安全を客観的に確認してみましょう。

住んでいる場所や近隣や地域は、あなたが安心して生活できる環境でしょうか?

住んでいる場所に、あなたのパーソナルスペースはあるでしょうか?

あなたが必要な時に、必要とするサポートを得られる周囲の人達との関係はあるでしょうか?

もしあなたが現在、安全だと感じられていない時は、あなた自身の安全を確保するためにどのような手段や方法があるのか検討して、まず安全を確保していきましょう。

「心理的安全」

安全とは物理的安全・身体的安全だけではありません。

安心・安全という自分自身で感じられる感覚を持っていることは、同じレベルで重要です。

不安や恐怖を感じた時に、物理的な安全を確認して、「楽しい思い出や特別な場所、親しい人たちのことを思い浮かべること」で安心・安全という感覚を感じる助けになります。

また「私はやり抜くことが出来る。私には協力してくれる人が必ずいる」といった、自己肯定感を強くしてくれる肯定的な考え方のアファーメーションを使うのも役に立つ人たちがいます。

そして、自分の落ち着きと冷静さを取り戻せる「我にかえる」行動をみつけておいて、不安や恐れを感じた時に、その行動をして自分を取り戻すこともとても役立ちます。

例えば、手を洗う、顔を洗う、顔や耳をマッサージする、背伸びをする、その場所を離れて深呼吸して景色を眺めるのは役に立ちます。

そして、話をしたり関わりをもつと安心できる人間関係があれば、その相手との関係を大切にする努力をしていきましょう。

トラウマの癒しと回復のためにサポートを求めましょう

あなたのトラウマ体験は、あなたの個人的な体験です。

話すかどうかは、あなたが選ぶことで、他者に強制されるものではありません。

秘密にしておくか、家族、親友、パートナー、トラウマケアをサポートしてくれる専門家のような信頼できる人達に、その体験を打ち明けるかどうかは、当事者であるあなたが決めることです。

しかし、多くの人にとって、トラウマ体験を打ち明けることは、トラウマの癒しと回復に向けて、重要なステップになりえます。

あなたが信頼する人に打ち明けることで、安心感を得ることにつながることもあります。

しかし、体験を話すことは、しばしば困難をともない、理解されないかもしれないという不安や恐怖、話すことそのものが、恥や絶望、怒り、不快感をもたらすこともあるのも事実です。

何より、具体的なことを話すぎると、トラウマを再体験することもあり、話す相手があなたの身近な人の場合、相手も内容を受け止めきれずに、お互いが辛い思いをする結果になることもあるのが実情です。

打ち明ける相手が家族、親友、パートナーの場合や、トラウマ体験の相手が家族、友人、パートナーの場合、あなたのトラウマ体験を打ち明けると、相手が受け止め切れないこともよくあり、それによって傷つくこともあります。

打ち明けた相手が泣き叫んだり、加害者に怒りをあらわにするかもしれません。

あなたが信頼できる家族、親友、パートナーに打ち明けると、誤解されたり嫌な反応をするのではと心配な場合は、最初からトラウマケアの専門家に援助を求めましょう。

その方が安全ですし、身近な人への伝え方もサポートしてくれまし、話すタイミングや、話す必要性などにつてもアドバイスをくれたり一緒に考えてくれます。

 トラウマの癒し、回復とは

トラウマを抱えていると、その影響で慢性的に安心・安全の感覚を感じることが難しくなっていることが多く、身体はいつも緊張している状態でリラックスするのが難しい状態になっています。

この状態が慢性化すると、身体が緊張している状態が普通の状態になり、自律神経系のバランスも崩れやすく、その生理学的な不調が、不安や緊張をさらに高めていくという負のスパイラルをつくりだしていきます。

トラウマからの回復とは、物理的安全・身体的安全の確保と、心理・神経生物学的なトラウマの影響を解消して心理的安全と身体が緩んだ心地よい状態を感じられるようになっていくプロセスです。

トラウマの癒しとは、生活環境の物理的安全と身体的な安全がある中で、QOLを高めていくことです。

生活環境の物理的安全と身体的な安全がない場合や、あってもそれを感じられない場合は、回復のプロセスの中では、それを得ていくために現実的な変化をもたらしていくために必要なものを身に付けていく必要がありますので、その学びとスキルの習得のプロセスは、人間としての成長を伴っていくことが知られています。

さらに、回復が進むにつれて、孤独感に阻まれていた人は、人とのつながりを求めるニーズを感じられるようになり、人とのつながりを求めていくようになっていきます。

その他には次のようなものがあります。

安心して1人でいられる、1人を楽しめるようになっていく。
自他の区別であるバウンダリィ(境界)の構築と再構築が出来るようになっていく。
寂しさを受け入れ、寂しさとうまく付き合えるようになっていく。
セルフケアができるようになっていく。
トラウマ体験の当事者(加害者など)に過剰なエネルギーを使わなくなっていく(憎んだり、依存したりしなくなる)
自分にやさしくできるようになっていく(そのままの自分を受け入れている)
他人(世間)の期待にとらわれなくなっていく。
ストレスをうまく調整できるようになっていく。
自分の事、自分の態度、自分の行動を自分で選択して決定できるようになる。
自分の選択したことについて責任を引き受け、選択したことを他人に責任転嫁しなくなる。
自分は世の中に受け入れられていると感じられるようになっていく。

現在、生きづらさを抱えていたとしても、そしてそれが苦痛でもうどうにもならないと諦めていたとしてもOKです。

人によってそのプロセスと時間はそれぞれですが、トラウマを癒していくプロセスの中で、人生を肯定的に変えていく新しい方法を学んで身に付けていくことは絶対に出来ます。

諦めないで、出来ることから始めましょう。

(文責)プロカウンセラー池内秀行

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こんにちは。カウンセラーの池内秀行です。

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