一人で頑張りすぎて疲れた心を軽くする方法

頑張りすぎ

自分の力で頑張ることも、人生において欠かせない価値があります。

目標を実現したり、困難を乗り越えたりする場面では、自らの力でやり抜く姿勢が求められることも少なくありません。

特に、責任を自分で引き受け、道を切り開いていこうとする態度と行動は、自信をもてたり達成感を感じさせてくれるので、人生の糧になります。

他者に過度に頼らず、自分の力で取り組むことで、周囲に協力してくれる人があらわれることもよくあります。

こうした経験の積み重ねが、確かな力として自分の中に残っていきます。

専門的には、こうした経験の積み重ねで育まれるのが「自己効力感」といわれています。

そして、ある程度、社会性のある健全な自己効力感が育まれてくると、他者にも気楽に相談したり協力してもらったり、グチを言って聞いてもらったりなど、他者との関係性の中で気持ちを整理したり調整したりしながら成すことをなしていきます。

「一人で頑張りすぎる」ことで、誰にでも起こりうること

一方で、困っているときに「自分だけで頑張ろう」としてしまうと、必要以上に自分を追い込み、やがて行き詰まりを感じることがあります。

「こんなに頑張っているのに結果が出ない」「誰にも理解されない」と感じると、その苦しさはさらに深まっていきます。

その結果、周囲の助けに気づけなかったり、助けを受け取る余裕さえなくなってしまうこともあります。

一人で抱え込み続けるうちに、自分を責めたり、苛立ちを感じたりして、気持ちの余裕を失っていくことは珍しくありません。

このような日々が続くと、「自分はひとりだ」といった様々な思いが強まり、不安や焦り、無力感に押しつぶされそうになることもあります。

しかし、こうした状態は決して特別ではなく、誰にでも起こりうることです。

専門的には、こうした心理状態が続くことで「自分はダメだと:自分を否定して責め続けることを「自己否定感」といったり「自責感」と言います。また、「自分には価値がない」と感じてしまうようになることを「無価値感」とも言います。

さらに、努力を続けてもなかなか成果が得られない状況が続くと、「何をしても無駄なのではないか」と感じるようになり、次第に行動する意欲そのものが薄れてしまうことがあります。

こうした心理状態は「学習性無力感」と呼ばれ、心のエネルギーが極端に消耗し、日常生活にも支障をきたすことがあります。状態によっては、「適応障害」や「自律神経失調症」「うつ病」などと診断される場合もあり、そのようなときは専門機関への相談が勧められます。

「協力を求める勇気」が状況を変える力になる

このような悪循環から抜け出すために、そして自己否定感や無力感に陥らないようにするためには、「一人で頑張りすぎないこと」がとても大切です。

「困っている」と感じたときに、勇気を出して誰かに助けを求めること――それが、状況を変える大きな力になります。

人は行き詰まると、どうしても視野が狭くなりがちです。

問題に意識が集中しすぎるあまり、自分自身がどれだけ疲れているのかに気づけなくなってしまうこともあります。

もちろん、「集中すること」が必要な場面もあります。

しかし、それは「脇目も振らずに頑張り続けること」とは異なります。

もし、自分が行き詰まっていると感じたら、信頼できる誰かに相談してみることが、新たな選択肢への第一歩になるかもしれません。

専門的な視点や、客観的なアドバイスによって、新たな気づきを得たり、忘れていた自分の目的や目標を思い出したりできることもあります。

多くの場合、こうした小さな一歩が、行き詰まりから抜け出すきっかけになります。

第一ステップは自分に優しくなること

一人で頑張るのが当たり前になっている方や、心に余裕がなくなっている方にとって、「相談する」という行動は、想像以上に難しく感じられることがあります。

また、自己否定感や学習性無力感に陥っている場合は、諦め感や絶望感などさまざまな想いや感情が背景にある場合が多く、周囲が想像する以上に人に相談するハードルは高いものです。

たとえそこまでではなくても、人に悩みや困りごとを打ち明けることは、いざとなる意外と簡単なことではありません。

「誰に相談すればいいのか」と悩むことも多く、多くの人にとって、相談するということ自体が高いハードルに感じられるのが実情だと思います。

そこで一つ提案があります。

それは、「悩んでいる自分、困っている自分を大切にすること」から始めてみることです。

今の自分を否定せず、「悩んでいる自分」や「困っている自分」をそのまま認めて、受け入れてあげること。

不安や苦しみ、怒り、自己否定感、無力感など――どんな感情であっても、ゆっくりと「今の自分の一部」として認め、優しく寄り添ってあげること。

それが、行き詰まりから抜け出す第一歩になります。

このとき大切なのは、自分自身に思いやりと優しさを向けることです。

そして、困っている時、悩んでいる時、不安や苦しみを感じている時に、信頼できる人や専門家に相談するという行動そのものが、自分を大切にする行動であることに、少しずつ気づいていってください。

それが、「相談する」という次の一歩につながり、心を守るための大切なセルフケアの始まりになります。

信頼できる相談相手の基準

信頼できる相談相手とは、あなたの気持ちを尊重し、プライバシーを守ってくれる人です。

わからないことを知ったかぶりせず、「できないことはできない」と正直に言ってくれる、誠実な人です。

たとえ直接助けになれなくても、他の相談先を一緒に探してくれたり、あなたのことを一緒に考えてくれる人も、心強い存在です。

カウンセラーへの相談も選択肢に

最初からカウンセラーに相談するのも、良い選択肢のひとつです。

「こんなこと相談していいのかな?」と思う内容でも、きちんと受け止めてくれるカウンセラーを選ぶことが大切です。

どんなカウンセラーが自分に合うかは、実際に話してみないとわからないこともあります。

何人かと話してみて、自分にしっくりくる人を見つけるのも探す方法の一つです。

不安があれば、「公認心理師」などの資格や、所属団体のある人を目安にしてみるのも一つの手です。

最後に

悩んでいるとき、不安なとき、困っているとき、たとえ相手が信頼できる人だと分かっていても、「相談する」という行動は、思っている以上に難しく感じられるものです。実際、それには少なからず勇気が必要です。

これは誰にとっても同じことです。

そんな時、自分にそっと優しく向き合い、「今、私は困っているんだ」と気づくことができたなら――その気づきが、変化への最初の一歩になります。

自分のペースで大丈夫です。

その「ほんの少しの勇気」が、あなたの今の状況を動かし始める力そのものです。

プロカウンセラー 池内秀行
2025,06,04一部改訂

Wrote this articleこの記事を書いた人

プロカウンセラー池内秀行

個人・カップル・夫婦・家族・友人同士など、幅広い人間関係やライフステージの悩みに対応する心理カウンセリング・セラピーを提供しています。人間関係の悩み、家庭内の問題、恋愛や夫婦関係に関する悩み、職場でのストレス、自己理解や自己肯定感の向上、不安・抑うつ・トラウマの癒し、生きづらさの解消など、多様なテーマに丁寧に対応いたします。クライアント一人ひとりの背景や課題に応じたオーダーメイドのカウンセリングを大切にし、初めての方でも安心してお話しいただける環境を整えています。海外在住の方や法人のご相談にも対応しています。Zoomなどを用いたオンラインカウンセリングにも対応しており、海外在住の方で日本語によるカウンセリングを必要としている方にも多くご利用いただいています。時差や言語の壁に悩むことなく、安心してご相談いただけます。東京を拠点に、全国および海外からのご相談にも対応しています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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