恋愛や夫婦関係がうまくいかないとお金が入らない?信頼関係と収入の深い関係とは

恋愛や夫婦関係がうまくいかないとお金が入らない?信頼関係と収入の深い関係とは
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恋愛や夫婦関係がうまくいかないとお金が入らない?

ネット上の記事などである、「「パートナーシップがうまくいかないと、お金が入ってこない」という言説が自分にも当てはまるかもしれないと感じ、パートナーシップを改善することで収入を好転させようという目的で、カウンセリングに来られる方が一定数いらっしゃいます。

私も、時々、こうした趣旨の内容を発信している、ビジネスや夫婦関係に関する個人ブログやSNSの投稿を目にすることがあります。

多くの投稿は、個人の体験談に基づいているので、「パートナーシップの不調が収入に影響する」という感覚には、一定の共感を覚える部分もあります。

しかし、たまにある「パートナーシップがうまくいかない=お金が入ってこない」と断定的に書かれている記事を目にすると、カウンセラーとしての立場からは違和感を覚えることがあります。

カウンセリングでは、実際に、恋愛関係や夫婦関係がうまくいっていなくても、事業やキャリアで成功し、経済的に安定した生活を送っていたり、さらに発展させている方々ともお会いするからです。そして、その数は少なくありません。

そこで本記事では、「恋愛・夫婦関係とお金」について、カウンセラーの立場から整理してみたいと思います。

心のSOS?「お金がない・入ってこない」は本当?

「お金がない」「お金が入ってこない」といった言葉は、実際に経済的に困窮しているというよりも、心の奥にある不安やストレスの表現であることがあります。

本音では「もう疲れた」「これ以上頑張れない」と感じていても、それを素直に言葉にできない人は少なくありません。

そんなとき、「お金、大丈夫かな?」という形で間接的に助けを求める場合があります。

そのタイミングで相手が「大丈夫だよ」と応じてくれれば、その一言に安心を覚え、「もう無理かもしれない」という気持ちが少しでも軽くなることがあるからです。

こうした言葉は、実は「気づいてほしい」「支えてほしい」という心のメッセージであることが少なくありません。

特に、パートナーに不安を受け止めてほしいときに「お金がない」と伝えることで、安心させてくれるような対応を引き出し、心の落ち着きを求めているケースもあります。

しかし、このような本音が伝わらずに「もっと努力すべきだ」「あなたの責任だ」と返されてしまうと、誤解や対立が深まり、関係が悪化してしまうこともあります。

実際には生活に大きな支障があるわけではなくても、心が疲れていると、不安が強調されて「お金がない」と感じてしまうこともあります。

もし最近「お金のことばかりが気になってつらい」と感じているなら、それはあなたの心が「助けてほしい」と訴えているサインかもしれません。

そんなときは、パートナーを責める前に、まずは自分の気持ちに優しく目を向けてみましょう。

自分のペースで大丈夫です。感じていることや思いを、紙に書き出して整理してみてください。

そして、その感情がどんな現実的な影響から生まれているのか、可能な範囲で状況を見つめ直してみましょう。

こうした整理を通じて、不安やストレスを和らげ、お互いに協力して現実的に取り組めることを話し合えるようになります。

心の疲れを癒しながら、現実と向き合う。そんな関係づくりのために、パートナーシップの本質を見つめ直すことが大切です。

そのために、パートナーシップの本質について整理しておきたいと思います。

パートナーシップの本質

パートナーシップとは、互いを尊重し合いながら協力する関係性のことです。

恋愛関係や夫婦関係に限らず、仕事やビジネスにおけるパートナーシップにも共通する概念です。

この「信頼」と「協働」がしっかりと育まれている関係性は、経済的な安定や発展にも好影響を与える可能性があります。

そして、近年、心理学の分野では、お互いの関係性を理解するための視点として、成人同士の関係における「アタッチメントスタイル(愛着スタイル)」が注目されています。

信頼が生む「意思決定力」と「安心感」

信頼とは、相手の言動や価値観を信じ、安心して共に過ごせる状態を指します。

パートナーとの間に信頼関係が築かれていれば、お金に関する話題もオープンに話し合いやすくなり、無用な誤解や不安を避けることができます。

協働が生む「相乗効果」と「金銭設計」

協働とは、目標や価値観を共有しながら、力を合わせて行動する姿勢のことです。

片方に負担が偏ると、ストレスや不満が蓄積し、関係にひずみが生じることがあります。

協働がスムーズに行われている関係では、お互いの方向性が一致しやすく、金銭面でもマネジメントとして貯蓄や資産運用、ビジネスの展開、無駄の少ない健全な使い方などが実現しやすくなります。

たとえば、共通の目標に向けてマネーマネジメントを一緒に考えて実践できると、それは大きな強みとなります。

大人のアタッチメントスタイル(愛着スタイル)

大人になってからも、幼少期に形成された愛着の傾向は、恋愛や夫婦関係、親密な対人関係に影響を及ぼすと考えられています。

成人期の愛着スタイルは、主に「不安」と「回避」という2つの軸の組み合わせから成り立ち、専門的な理論によっては3〜5スタイル、さらにそれぞれを詳細に組み合わせた分類もあります。

安心型、不安型、回避型など、人それぞれのスタイルがあり、ストレスへの反応やパートナーへの期待の仕方に違いが現れることがあります。

たとえば、不安型の人は相手からの反応に敏感で、愛情を確かめたくて「お金が不安」といった形で不安を表現することもあります。

ここでは、代表的なスタイルを紹介します。

安定型アタッチメントスタイル

あきらかな安心型(否定的な態度はなく、良い関係性)

親しいことを快適と感じ、適度な自立性がある。常に良い人間関係を作り維持する能力がみられ、良いサポートも提供することができる。

不安型アタッチメントスタイル

とらわれ型(分離への恐れが強い)

親密さへの強い欲求があるが、低い自己信頼ゆえに、見捨てられることへの不安も強い。

表面的な関係を持ちやすく、社会的接触の数は多いのに、実際には親しい関係は少ない傾向がある。

時に怒りがあり、親密さへの欲求と見捨てられる不安のアンビバレンスが強く表れる。

恐れ型(拒絶されることへの恐れが強い)

他者から拒絶されることや、がっかりさせられることへの恐れがある。

過去の経験が影響していることが多い。

誰かと親しくなりたい欲求がある一方で、同時に親しくなることへの恐れもあるため、結果として孤独になっていることが多く、不信感と近づくことへの妨げが存在する。

■回避型アタッチメントスタイル

怒りー拒否型(強い不信感と怒り)

常に自分の人生を強くコントロールしようとする傾向がある。

極端な自信とともに、周囲との葛藤が多い。高い不信感と低い親密さへの欲求が見られる。

引込み型(高い自己信頼)

人との関わりから距離を取り、プライバシーを守りたいという傾向が強い。

実用的かつ合理的で、情緒的な側面が見えにくいことがある。

高い自己信頼と親密さへの欲求の低さが特徴。

不安かつ回避的な型

二重/無秩序型の非安心型

他者との関わりが極めて困難で、特定のアタッチメントスタイルに当てはまらないようなケース。

「この人はこのタイプ」と決めつけないことが重要

大切なのは、こうしたスタイルを「この人はこのタイプ」と決めつけないことです。

愛着スタイルは人生経験によって変わり得るものであり、相手との関係性によっても相対的に変化します。

また、状況や相手との関係性に応じて対人関係のスタイルとして使い分ける人もいるので、その場合はアタッチメントスタイルというより、TPOに応じたコミュニケーションスタイルと言うことになります。

したがって、タイプとしてラベルを貼って固定せず、自分や相手の反応パターンの傾向を理解し、お互いどのように関わるのが安心・安全なコミュニケーションになるのか、一緒に考える参考とすることが大切です。

パートナーとの関係において重要なのは、相手のアタッチメントスタイルを変えようとすることではなく、お互いの傾向を理解し合い、そのスタイルに応じた安心できる関係性を築くことです。

お互いが相手にとっての「安全基地」、二人の関係性も「安全基地」

大人の愛着関係でも、お互いが相手の「安全基地」として機能することで、安心して自分らしく行動できる土台が築かれます。

これは経済活動においても同様で、「信頼できるから任せられる」「わかってくれているから踏み出せる」といった感覚が、行動の主体性を高め、無理のない協力関係を実現させます。

パートナーシップは、相手を変えるのではなく、理解し合い、それぞれのスタイルに合わせて関係性を築いていくことが鍵となります。違いを前提に対話と協力を重ねることで、信頼と協働に基づいた健全で安定した関係が育まれていきます。

そうすることで、二人の関係性も「安全基地」になっていきます。

信頼と協働は、同じスタイルである必要はなく、違いを前提に対話や距離の取り方を工夫することで、より健全で安定したパートナーシップが育まれていきます。

パートナーシップを調整するカギは“相手の話を否定しないこと

不安やストレスを軽減し、現実的に協力し合える関係を築くためには、まずお互いの不安やストレスを否定せずに受け止めることが大切です。

とはいえ、実際には相手の話の内容によっては、聞く側にとっても強いストレスや不安を感じることがあります。

特に、ストレスの度合いが高い状態では、相手を批判したり否定したり、自分を正当化したり、さらには相手を見下すような発言をしてしまうこともあるかもしれません。

葛藤が大きくなると、そもそも話し合いそのものを拒否してしまうケースもあります。

そうなる前の段階で、お互いの反応や傾向を理解し、それに応じた話し合いの方法や状況設定を工夫することが重要です。

「どちらが正しいか」を争うのではなく、「なぜそのように感じるのか」を丁寧に聴く姿勢が、信頼関係を育み、関係性を深めていく鍵になります。

また、実際にお金の問題が生じている場合は、その感情面に向き合うことに加えて、具体的な対処方法を協力して検討していく必要があります。

このように、「お金がない」という言葉の背後にある感情やニーズに気づき、対話を通じてその本質に向き合っていくことは、健全で持続可能なパートナーシップを築くための重要なステップです。

関係性とお金の区別~恋愛・夫婦関係だけでは「収入の良し悪しは決まらない」理由

カウンセリングの現場では、恋愛関係や夫婦関係がうまくいっていないにもかかわらず、経済的に安定し、さらに発展させながら豊かな生活を送っている方々に実際にお会いします。

そうした方々は、ビジネススキルやお金に関する知識を自ら学び、日々の中で着実に活用されています。

そして何より、そのスキルと知識を現実に活かすための努力を惜しまず続けておられます。

このような事実からも明らかなように、パートナーシップの良し悪しと「お金の流れ」には、必ずしも直接的な因果関係があるとは言い切れません。

恋愛関係や夫婦関係が順調だからといって、必ず収入が増えるわけではなく、逆に関係が不調だからといって収入が減ったり、途絶えたりするとは限らないのです。

経済的な安定や発展を左右するのは、知識、スキル、行動力といった個人の努力や選択に加え、ビジネスの内容や環境、社会的な状況など、複数の要因が複雑に関係し合った結果です。

パートナーシップが与える影響は、その中の一要素に過ぎず、しかも多くの場合、間接的なものであるという視点を持っておくことが大切です。

心の不調と収入の隠れた繋がり~恋愛関係・夫婦関係のストレスが仕事に及ぼす影響~

パートナーシップとお金の間に明確な因果関係があるとは言えない一方で、心理状態を通じた間接的な影響は実際にあります。

恋愛関係や夫婦関係がうまくいかず、その影響で精神的に疲弊してしまうと、自尊心が低下し、自信を失い、仕事への意欲も減退することがあります。

こうした心の不調は、仕事のパフォーマンスやモチベーション、対人関係に影響を及ぼし、結果として収入の減少につながる可能性があります。

たとえば、パートナーと一緒にビジネスを立ち上げたばかりの時期など、不安定な状況では、関係性の不和がそのままビジネス展開の不安や恐れを増幅させることがあります。

心理的ストレスが高まると、つい相手のせいにしてしまい、感情的な衝突につながることも少なくありません。

また、同じタイミングで転職や起業など、双方にとって大きな変化がある場合も注意が必要です。

環境の変化は誰にとってもストレスがかかるものであり、適応の過程で気持ちが不安定になりやすくなります。

そのため、ほんの些細な言葉や出来事がきっかけとなって、思わぬ衝突を生むこともあります。

加えて、子育て期のように、心身の余裕が持ちにくいライフステージでは、日々の小さなストレスの積み重ねが、思いがけない摩擦や衝突につながることがあります。

そうした時期には、子育てに関して可能な範囲で周囲や専門家の協力を得ながら、意識的にお互いを労わる時間を確保し、ストレスを軽減する工夫を重ねていくことが、より一層大切になります。

支え合いが“幸運”を育てる~信頼が育む経済的回復力とは~

本来、パートナーシップには「励まし合い」「支え合う」といった、相互的な期待や願いが込められています。

良い時はもちろん、困難なときも寄り添い合い、互いの心と現実を支える関係は、精神的な安定をもたらし、それが仕事や日常の行動にも好影響を与えます。

しかし、その期待が大きいほど、相手から十分な理解やサポートを得られないと感じたとき、深い不安や孤独感に包まれることがあります。

そして、それが影響して、自信を失い、行動する意欲が下がり、結果として収入や仕事のパフォーマンスにも影響が出てしまうこともあります。

信頼に基づく関係性は、目には見えない「心の資産」です。

この資産が豊かであれば、精神的な支えとなるだけでなく、仕事や生活に前向きなエネルギーをもたらし、経済的な安定や発展へのモチベーションにもつながります。

そして、たとえ経済的に苦しい状況に直面しても、「きっと乗り越えられる」「一緒になんとかしていこう」という気持ちが生まれやすくなり、現実に向き合う力となって、状況の回復へとつながっていくのです。

競争ではなく協力を~カップル内の“ライバル意識”が招く関係悪化~

パートナーと生活やビジネスを共にしていると、知らず知らずのうちに「競争意識」が芽生え、関係を冷やす原因になることがあります。

たとえば、「自分のほうが優れている」「自分の考えが正しい」と証明したい気持ちが強くなると、相手を「打ち負かす対象」として見るようになりがちです。

そうなると、協力し合うはずの関係に対立が生まれ、大切な親密さや安心感が失われてしまいます。

このような状態が長く続くと、関係に対する信頼や温かさが徐々に薄れ、やがて無関心や精神的な距離が生まれることもあります。

結果として、心のつながりが弱まり、精神的にも経済的にも疲弊していくことにつながりかねません。

ライバル意識をケアするには?

まず大切なのは、パートナーはライバルではなく「味方」であるという視点を持つことです。

「勝ち負け」ではなく「共有する目標」を意識しましょう。

お互いが同じ方向に進もうとしていると認識できれば、競い合うのではなく力を合わせるという感覚が自然に生まれます。

また、相手の強みを素直に認めることも大切ですです。

「自分にはできないことを相手がしてくれている」と実感できると、感謝の気持ちが湧き、関係に温かさが戻ってきます。

そして、自分自身の強みや貢献にも目を向けてみましょう。

自己効力感や自己肯定感が育まれ、対等なパートナーシップを育んでいくリソースになります。

加えて、「自分は何に不安を感じているのか」「なぜ相手と比べたくなるのか」といった自分の内面を見つめ直す時間を取ることも大切です。

ライバル意識の背景には、自己価値への不安や過去のトラウマの影響が潜んでいることも少なくありません。

トラウマの影響に気づいたら、カウンセラーなど専門家に相談することが大切です。

無自覚な上下関係の罠~無自覚の「特権意識」「特別意識」が関係を悪化させる~

パートナーとの対話の中で、相手の気持ちを「自分と同じように」大切にできていないと、たとえ共感しているつもりでも、実際には「反論」「判断」「評価」といった形で表れてしまうことがあります。

本人がそのことに気づいていない場合、無自覚な「特権意識」や「特別意識」が影響している可能性があります。

特権意識(とっけんいしき)

「特権意識」とは、性別、地位、経済的背景、人種など特定の立場や属性に基づき、自分は当然のように特権を持ち、優遇されるべきだと考える意識です。

これは社会的な地位や所属、生まれ持った背景といった外的な要因に由来することが多いです。

特権意識があると次のような傾向が見られます:

  • 自分は他の人より”優れた存在”だと信じている
  • 規範やルールが自分には適用されない、自分は例外と思っている。
  • 他人の気持ちや立場を軽視し、自己中心的な振る舞いをする

この意識は無自覚に表れやすく、例えば、マジョリティ(多数派)の立場にある人が、自らの優位性や恩恵に気づかず、それを当然と捉えている場合があります。

具体的な例:

  • 「私はこの部署のベテランだから、優先されて当然だ」
  • 「男だから女性より優遇されるべきだ」
  • 「自分は経営者だから、多少のわがままは許される」

特別意識(とくべついしき)

「特別意識」とは、自分が他人から「特別な存在」として扱われたいという願望です。

この意識は、内面的な欲求や、他者との比較による優越感・劣等感、自尊心の不安定さに起因する承認欲求に基づいていることが多いです。

特別意識があると見られる傾向:

  • 「自分は”特別な存在”だと思われたい」
  • 「皆んなと同じ扱いでは満足できない」
  • 「私には他の人と違う、特別な対応が必要だ」

こうした感情は、社会的に注目される立場の人だけでなく、誰にでも生じる可能性があります。

極端な場合は、「自己愛性パーソナリティ障害(※自己を過剰に重要視し、他者への共感が乏しい心理的特徴)」と関連していることもあります。

特権意識・特別意識の影響

これらの意識が無自覚に働いていると、自分の意見や価値観が常に正しいと信じ込み、他者の声に耳を傾ける姿勢を失いやすくなります。

その結果、関係性における対等性が崩れ、相互理解や信頼が損なわれていきます。

しかし重要なのは、「特権意識」や「特別意識」を完全に否定することではありません。

状況によっては、それらがリーダーシップや他者支援の原動力にもなり得ます。

問題となるのは、それが無自覚に現れ、人間関係のバランスを崩してしまうときです。

健全なパートナーシップに向けて

信頼と協働を築くためには、自分の内にある自覚のない前提に気づき、相手を「味方」であり「対等な存在」として尊重する姿勢が大切です。

その第一歩は、自分の思い込みや「当たり前」を問い直すことにあります。

三角関係が生まれる心理~“見えない亀裂からはじまる”~

パートナーシップにおいて、一方が無自覚のうちに特権意識や特別意識を抱いていると、「上から目線」の態度となって表れ、もう一方のパートナーは不満や怒りを感じるようになります。

そうした感情が解消されないままでいると、やがて孤立感や無力感を深めていきます。

よく見られるのは、収入や経済的な貢献度の差が原因で、関係の中に“見えない上下関係”が生まれてしまうケースです。

たとえば、夫婦のうち一方の収入が高く、家計の大部分を担っている場合、本来は「役割分担」であり、家計も「共有財産」です。

しかし実際には、「自分のお金だから自分が管理して当然」といった支配的な態度になりがちで、もう一方を「経済的に依存している存在」と見なしてしまうことがあります。

このような心理には、「自分は経済的に支えているのだから、当然感謝されるべきだ」「お金を出していない相手には、発言権や決定権がない」といった、特権的な意識が潜んでいることがあります。

一方で、経済的に支えられている側は、「自分は対等に扱われていない」「自分には価値がないのではないか」といった思いを募らせ、次第にパートナーとの心の距離が広がっていくことがあります。

そのようなとき、第三者――とくに異性――に悩みを打ち明けた結果、優しく寄り添われたり、現実的な助言やサポートを受けたりすることで、感情的なつながりが生まれ、やがて親密さが増して「三角関係」に発展するケースも少なくありません。

さらに厄介なのは、相談を受けた第三者が事情を正確に把握しないまま、一方的な視点で評価やアドバイスをしてしまう場合です。そうなると、本来の問題の本質が見えにくくなり、当事者同士の誤解や対立がいっそう深まってしまう恐れがあります。

このような状況では、まず経済的に優位な立場にいる側、あるいは特権意識を抱えている側が、自らの言動が相手に与えていた影響――孤独感や劣等感、無力感――に気づくことが、関係修復の第一歩となります。

そして、その気づきをもとに、収入の多寡にかかわらず、互いの貢献や存在を尊重し合える、思いやりに満ちた関係を築こうとする姿勢が求められます。

無自覚な問題を解消していく~第三者からの助言、専門家のサポートを受ける~

無自覚な特権意識や特別意識に気づき、それを見直していくためには、第三者からのフィードバックや助言が必要になることが多くあります。

とくに、相手を本当に大切に思っているのであれば、そのフィードバックを素直に受け止め、関係をより良いものへと変えていく力は、誰の中にも備わっているものです。

人は、自分が自覚なく誰かを傷つけていることに、なかなか気づけないものです。だからこそ、自分の内面と実際の言動を客観的に見つめ直す勇気、そして外部の視点を受け入れる柔軟さが求められます。

特権意識や特別意識は、空気のように当たり前のものとなっていることが多く、自分自身ではなかなか気づけません。

また、身近な人からの指摘であっても、それを素直に受け入れるのは難しい場合もあります。

そのため、第三者であるカウンセラーなど、専門的な立場の支援を受けることは、とても有効であり、問題解決への近道にもなります。

また、相手の「上から目線」によって不満や怒り、孤立感や無力感を抱えている方も、身近な関係などで三角関係に発展するリスクを回避するために、専門家に相談することをお勧めします。

カウンセラーなどの専門家のサポートを受けることで、自分たちだけでは気づけなかった視点や、新たな解決策に出会える可能性があります。

そしてそれが、関係の修復や再構築への大切な一歩になります。

幸せを一緒に体験するために~協働型パートナーシップに向かう“意識と習慣”~

カップルや夫婦は、意識的に健全な価値観や習慣を共有していくことで、同じ方向を向き、調和のとれた関係を築いていくことができます。

日々の生活の中で、対立や自己主張を優先するのか、それとも協力し合い、共に幸せを体験していく努力をしていくのか――。

最後に

パートナーシップとお金の関係には、単純な因果関係だけでは語れない複雑な背景があります。

「関係がうまくいかないとお金が入ってこない」という言葉は一面の真実を含んでいるかもしれませんが、それは多くの場合、心の状態や信頼関係、そして互いの理解不足から生まれる「間接的な影響」によるものです。

信頼し、協働するパートナーシップは、心の安定をもたらし、そのことが仕事や行動に良い影響を及ぼし、結果的に経済面にも良い循環を生む可能性があります。

一方で、競争意識や無自覚な特権意識や特別意識が関係を蝕み、心の疲れや対立を招くと、経済的な側面にも負の影響が及ぶこともあります。

こうしたことを踏まえて、自分たちはどういう関係でいたいのか、どんな関係になっていきたいのか、自分と相手の違いを認め、一緒に話し合い考えていくことも大切です。

必要であれば専門家であるカウンセラーの助けを借りることも、関係を見直す大きな一歩になります。

パートナーとの関係性を「問題」として見るのではなく、「可能性」として見つめ直すことで、心もお金も、より健やかで豊かな方向へと向かうことができるでしょう。

文責 カウンセラー池内秀行

2008年03月22日作成,2020年02月24日一部改訂.2025,06,15改訂

参考図書

  • 日本家族研究・家族療法学会編(2013)「家族療法テキストブック」金剛出版
  • ベロニカ・カロス=リリー他(2021)「カップルのための感情焦点化療法」金剛出版
  • アントニア・ビフィルコ他(2017)「アタッチメント・スタイル面接の理論と実践」金剛出版
  • パトリシア・M・クリテンデン他(2018)「成人アタッチメントのアセスメント」岩崎学術出版社

Wrote this articleこの記事を書いた人

プロカウンセラー池内秀行

個人・カップル・夫婦・家族・友人同士など、幅広い人間関係やライフステージの悩みに対応する心理カウンセリング・セラピーを提供しています。人間関係の悩み、家庭内の問題、恋愛や夫婦関係に関する悩み、職場でのストレス、自己理解や自己肯定感の向上、不安・抑うつ・トラウマの癒し、生きづらさの解消など、多様なテーマに丁寧に対応いたします。クライアント一人ひとりの背景や課題に応じたオーダーメイドのカウンセリングを大切にし、初めての方でも安心してお話しいただける環境を整えています。海外在住の方や法人のご相談にも対応しています。Zoomなどを用いたオンラインカウンセリングにも対応しており、海外在住の方で日本語によるカウンセリングを必要としている方にも多くご利用いただいています。時差や言語の壁に悩むことなく、安心してご相談いただけます。東京を拠点に、全国および海外からのご相談にも対応しています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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