安心・安全をもたらす境界(バウンダリィ)
安心・安全な人間関係とは、お互いが独立した存在であるという尊重があり、その尊重の証として、お互いを区別する境目であるバウンダリー(境界)を設定し、状況に応じてお互いその境目を調整できる関係です。
バウンダリー(境界)とは、「ここまでが私」という自分の領域や自分の限界の境目のことです。
そして、自分だけはなく相手についても「ここまでがあなた」という相手の領域や相手の限界の境目です。
バウンダリー(境界)にはいろいろな種類があり、次のように目に見えるものだけではなく、目に見えない考えや感情、価値観などもあります。
(1)尊厳の境界 |
(2)感情の境界 |
(3)身体の境界 |
(4)時間の境界 |
(5)空間の境界 |
(6)所有物(持ち物)の境界 |
(7)金銭の境界 |
(8)責任の境界 |
(9)性的な境界 |
(10)思考の境界 |
(11)価値観の境界 |
(12)信仰やスピリチュアルな境界 |
こうした境界の概念についての認識は、生まれ育った環境や、子供時代に周囲にいた大人がどのように関わってくれていたによって人それぞれ異なります。
境界の概念の認識については、次の4つに大別できます。
(1)境界の概念がほとんどない人 |
(2)境界の一部がもろい状態にある人 |
(3)適切な境界を設定して維持できる人 |
(4)境界ではなく、強固な壁になっている人 |
境界(バウンダリィ)の理解
境界とは細胞膜のようなイメージです。
良いものは入れて、害になるものは入れない。
境界は全ての人にあるものです。
ただ、その存在を教えてもらえないと意識できません。
そして、相手によって相対的なものです。
ある人には(3)適切な境界を設定して維持できるのに、ある人にはそれが難しく、(1)境界がほとんどない人になったり、(2)境界の一部がもろい状態にある人になったり、(4)壁のような強固な境界をもつ人になったりします。
理由は、相手が境界を意識できな人、意識できても尊重してくれる人でないと、それがストレスで、相手との距離感や関わり方が混乱するからです。
バウンダリー(境界)の概念があると、安心・安全な人間関係とは、適切な境界を設定して維持できる、調整できる関係性ということになります。
安心・安全な人間関係は育んでいくもの
したがって、安心・安全な人間関係というのは、もともとあるものではなく、お互い協力し努力して育んでいくものであるということです。
次のようなことが相互にできている関係は安全・安心な関係と言えます。
(1)お互い嫌なことは「嫌」と言える。気が進まないことを強制されない。 |
(2)話に耳を傾けてもらえる。「こう感じるべきだ」「こう考えるのが正しい」など、感じ方や考え方を強制されない。 |
(3)「私がいなければあなたはやっていけない」「あなただけが全て」のような、2人だけで完結する世界ではなく、他者が2人の世界に関わることができる。 |
(4)「おまえはダメなやつだ」のように、人格を否定されない。罵倒されたり、決めつえられたりしない。 |
(5)「こうすれば好きになってあげるよ」「こうしたければ嫌いになるよ」といった一方的なコントロールが行われない。 |
(6)相手の不機嫌をなだめる責任を負わなくてよい。 |
2019年12月16日作成,2020年02月22日一部改訂
文責 カウンセラー池内秀行
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プロカウンセラー池内秀行
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